と言うことで、今回は
白鬚神社の湖中大鳥居周辺の事故発生の原因と
現在の対策と今後について紹介します。
白鬚神社の大鳥居周辺はなぜ危険なのか?
白鬚神社の前には大鳥居があります。
普通の鳥居と違い、こちらは琵琶湖の中に立っています。
滋賀県には【近江の厳島】と呼ばれる近江最古の神社があります。その名も白髭神社。延命長寿の神様として古くから知られており、その他縁結びや開運招福など人々の営みごとすべてを導いてくださる神様のようです。全国ツアーの成功祈願に参拝されてはいかがでしょうか?#Aぇヤンタン47ツアー pic.twitter.com/ggy2BxQI0r
— おつぶ (@tsubuannha) February 8, 2023
だから湖中大鳥居と呼ばれています。
特に朝には朝日で照らされた湖面に立つ湖中大鳥居はとても美しく、滋賀県屈指のパワースポットとして有名です。
【白髭神社(滋賀県)】
湖に浮かんでいる鳥居
その景色にひかれ、昔から多くの人が琵琶湖の近くにある白髭神社を訪れます。
とくに夜明けをバックにした鳥居は絶景!!! pic.twitter.com/43GK9jTig7
— ☆絶景☆ソーシャルトラベラー (@earth_travel_tw) February 5, 2023
湖にたたずむ湖中大鳥居は美しく、とても「映える」ので、多くの方が写真を撮りたがります。
例えばこんな感じで。
日本の絶景 白髭神社 滋賀県 Japanese Superb view shirahigejinja siga-ken pic.twitter.com/a6xQZEQvFt
— 日本って素晴らしい! (@subarasiinihon) February 6, 2023
誰だって、白鬚神社を見に旅行に来たら、こんなきれいな写真を思い出に撮りたいですよね。
しかも都合よく、白鬚神社には無料の駐車場があります。
30台位駐車出来て、お手洗いや自販機もあり便利です。
お目当ての湖中大鳥居はその駐車場からすぐそばにあります。
下記の写真は白鬚神社駐車場から、湖中大鳥居を撮影したものです。
駐車場から湖中大鳥居までがとても近いのがお判り頂けると思います。
今日天気良かったから白髭神社行ってきた!めっちゃきれいやった! pic.twitter.com/oIkHtjLRPf
— みー (@MiMiMi09166) February 5, 2023
ではなぜ大鳥居周辺で人身事故が多いのか?
上記写真にも写っていますが、白鬚神社と大鳥居の間には道路があります。
この道路、国道161号線です。
2車線で、滋賀と福井をつなぐ主要道路となっています。
この道は琵琶湖沿いを走る湖岸道路で、道幅も十分。
直線が続き、見晴らしもとても良いです。
ただ、この周辺は山が琵琶湖に迫っていて、他に平地はなく、う回路はありません。
このことから、大型トラックを始め自家用車やバイク、サイクリングの自転車もひっきりなしに走る交通量の多い道路です。
多くの観光客はこの大鳥居をもっと近くで見て、写真に撮ろうとこの交通量の多い国道161号線を横断します。
残念なことに神社近くに横断歩道はありません。
当然横断用の信号もありません。
そして、事故が発生するこの場所は、琵琶湖沿いの見晴らしの良い直線が続いた後、緩やかなカーブになっています。
湖中大鳥居間あたりだけ見通しが悪くなっているのです。
下記に現地の空撮写真があります。
右下の写真を拡大して見てみて下さい。
カーブの終わりあたりがちょうど白鬚神社と大鳥居の間、すなわち横断が危険な箇所となっています。
琵琶湖北部の白髭神社。ここ数年インスタ映え狙いの観光客でにぎわっています。
— ZuluMagic|大麻種子 (@ZuluSistas2017) February 2, 2023
北から南下してくるドライバーにはとても見にくい場所なんです。
運よくドライバーが横断する観光客に気付いて急ブレーキを踏んだとしても、後続車が追突する危険性もあります。
白髭神社。見たいのは分かるけどここ横断するとか恐ろしすぎる。湖西道路しかもカーブの内側だぞ… #琵琶湖 #白髭神社 pic.twitter.com/bWZOw2ut2w
— かめ (@xxKAMEZOxx) July 27, 2021
実際この道を車で走行していると、こんな感じで横断している観光客をよく見かけます。
毎日何人も横断しています。
車は時速60~70キロ位スピード出してます。
しかも見通しが悪いのにな~・・・。
白髭神社か?あの辺は信号がないし湖岸に沿ってカーブが多いから危険やでしかし https://t.co/uqExD8Rcm0
— テツハル (@senbanc) December 2, 2019
人身事故も発生
先日、NHKの記事を読んでいたら、下記の記載がありました。
以下はNHKの2022年11月16日の記事からの引用です。
高島市にある白鬚神社はびわ湖に浮かぶ赤い鳥居がシンボルで、幻想的な風景の写真が撮れると人気のスポットになっています。
ただ、鳥居を間近で撮影しようと、交通量が多い神社の前の道路を無理に渡る観光客があとを絶たず、去年12月には死亡事故も起きるなど、過去10年間で22件の人身事故が起きていました。
事故防止策は?
このように人身事故が多発したことを受けて、地元高島のロータリークラブが一肌脱いでくれました。
高島ロータリークラブさん
創立45年記念事業として、横断しなくてもいい写真が撮れるように撮影用の台を設置しました。
展望台が完成したのは2021年12月9日。
展望台の名前は【藍湖白鬚台】(おうみしらひげだい)
高さは3メートル、広さは10平方メートル。
10人ほどが立って記念撮影出来る広さだそうです。
展望台については高島観光協会のサイトに詳しい記載があります。
こちらを参照して下さい。
≫ https://takashima-kanko.jp/2021/12/post_1011.html
しかし、それでも悲劇は起きてしまいました。
下記は2022年5月18日のTHE SANKEI NEWSから引用です。
昨年12月9日午前7時15分ごろ、白鬚神社前の国道161号で、横断中の無職男性(79)が軽乗用車にはねられて死亡した。
滋賀県警高島署の調べでは、岐阜市内に住む男性は日の出や大鳥居の撮影を終えた後、神社の駐車場に止めてあった自分の車に戻ろうと、横断歩道のないところを渡っていてはねられたという。
皮肉なことに前日の8日には、地元の高島ロータリークラブ(RC)が、国道を横断せずに大鳥居を撮影できるように境内に展望台を寄贈し、供用が始まったばかりだった。
湖中大鳥居の写真撮影は展望台で!
ロータリークラブのご厚意で出来た展望台、藍湖白鬚台。
滋賀県白髭神社に、展望台が出来ていた!
高いところから、見る鳥居は
イエイ(≧∇≦)/ビワイチでの楽しみが増えた。
神社には無料駐車場あり
トイレあり(女性和式タイプ) pic.twitter.com/ZMzWG945IS— 米麹(komekozi front bag)ピナレロ (@sakeumaiwa) October 27, 2022
ここからの眺めはどんなかな?
こんな感じでした。
いい写真撮れますよ!
白鬚神社の宮司も行動を起こす
白鬚神社の宮司さんはナントカ問題を解決しようと、観光客に道路を渡らないよう呼びかけたりしました。しかしたった4人の職員では対応に限界があります。そこで、関係各所に宮司さんは「要望書」を提出することに。白鬚神社の現況や展望台の設置、そして要望書を提出するまでのいきさつがYoutubeにありました。14分と長いですが、気になる方はどうぞ。
信号と横断歩道、歩道橋の設置は?
これまで滋賀県としても、この問題に関して、信号を設置し、道路に横断歩道を設けることを何度も検討されてきたそうです。
しかしどれも実施されていません。
なぜか?
信号と横断歩道の問題点
白鬚神社エリアの国道161号線。
実はヒドイ渋滞が起こる場所です。特に夏季。
信号を設置すると渋滞がさらに増加。
渋滞している車の間を人が横切り、対向車やバイクや自転車などと衝突する事故を誘発してしまう可能性があるようです。
歩道橋を設置の問題点
技術的にはそんなに問題はないそうです。
ただ地域住民から、今まで見えていた鳥居が見えないなどと言う景観上の問題が出てくる可能性がある。
滋賀県三日月大造知事の見解は?
三日月知事の見解は下記の通り。
関係当事者と知恵を出し、どういう対策が必要かしっかりと考えていきたい。
すぐ出来ることと時間をかけることを分けて対応していきたい。
朝日新聞でも白鬚神社横断問題の報道が
今朝、新聞を読んでいたら、白鬚神社の危険横断についての記事がありました。
三日月知事が言われるように、各方面と連携して、イロイロ考えられているようですね。
以下は2023年2月21日の朝日新聞朝刊23面の「危ない国道横断 悩む安全対策」と題する記事からの抜粋です。
県や市が国道事務所などの関係機関は22年、4回にわたって対策会議を開き、三つの案を議論した。
①横断歩道案は、さらに渋滞を引き起こす可能性がある。
②地下道案は琵琶湖から浸水を招く恐れがある。
③250メートルほど離れた場所に歩道橋を設置する案は、横断者が実際に利用するのか疑問・・・。
ということで、4回も会議を開いて議論されたようですね。
白鬚神社の宮司さんの「要望書」に対して、関係機関が真摯に対応しているのは素晴らしい!
会議では実際3つ案が出たけど、どれも問題があるようです。
結果としては、
いずれの案も見送りとなり、横断しないように促す取り組みを続ける結論になった。
そうです。
4回も議論したけど、【決定打】となる良策は見いだせなかったんですね。
この「横断をしないよう促す取り組み」としては、
市が国道事務所は23年度、湖への転落を防ぐ高さ1.1メートルの柵の設置と、注意喚起を促す文言を路面に表示する予定だ。
とのこと。
「路面に文言を表示」はいい取り組みですね。
そして、記事の最後の方で、雲の切れ間から見える「一筋の光」のような、いい情報もありました。
将来的には、神社の北の山側にバイパスを通す計画がある。そうなれば現在の国道の交通量は減る見通しだが、着工や完成の時期は「未定」としている。
山側にバイパス!
コレは希望が持てますね。
交通量が減れば、横断歩道で安全に横断出来て、渋滞も起きない。
景観的にも、神社の前に車がブンブン走るのは雰囲気良くないですからね。
記事の最後には「要望書」を提出し高橋宮司のコメントも載っていました。
「国道の横断は自分の身体を危険にさらすだけでなく、ドライバーにも迷惑を掛ける。展望台から撮影してほしい。」と切実に呼びかけている。
白鬚神社と湖中大鳥居の詳細情報
白鬚神社と湖中大鳥居の情報を下記にまとめました。
白鬚神社について
正式名称:白鬚神社(しらひげじんじゃ)
住所:〒520-1122 滋賀県高島市鵜川215
電話番号:(0740)36-1555
駐車場:30台
トイレ:あり
自販機:あり
展望台:あり (藍湖白鬚台:おうみしらひげだい)
アクセス:
JR北小松駅から約4.5km、徒歩55分 タクシーで10分
JR近江高島駅から約2.8km、徒歩34分 タクシーで7分
地図:
湖中大鳥居建立について
建てられた経緯:
最初に鳥居が建てられたのは昭和12(1937)年。
大阪の薬問屋だった小西久兵衛氏の寄進だった。
現在の湖中大鳥居は昭和56(1981)年に建てられたものです。
神社は近江最古の大社。
湖一帯は2015年に日本遺産に認定されています。
湖中大鳥居の高さ、幅、岸からの距離
高さ:湖面より約10m
柱の間隔:8m
岸からの距離:約58m
●白鬚神社の湖中大鳥居周辺で危険横断が多かった。
●事実、過去10年で22件の人身事故が発生した。
●高島ロータリークラブが2021年12月「展望台」を寄贈した。
●高さ3メートル、10平方メートル、10人が立って撮影可能。
●高くなって、写真が安全に撮れるようになった。
●白鬚神社の宮司は関係各所に改善の要望書を提出。
●県側、警察、観光の各方面から検討が始まった。
●横断歩道、トンネル、歩道橋案全て見送り。
●柵の設置と路面に文言を表示する予定。
●将来的には山側にバイパスで、交通量激減か?
●湖中大鳥居は最初は1937年薬問屋の小西氏の寄進だった。
●現在の湖中鳥居は1981年に建て替えたもの。